バードバスの作り方 2
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富士山麓山中湖バードハウス山荘

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富士山は毎日眺めるのではなく、雪の日、雨の日も、野鳥たちの鳴声を楽しみながら、100メートルほど離れた林中を散策し、富士山の雄姿を楽しみました。富士山麓の土壌は、※『噴火によって砂礫化された溶岩』ですので、驟雨があっても、地上に溜まることなく地下に浸透していきます。山中湖は約1000メートル、私の山荘は1100メートル、大平山は1200メートルの海抜ですが、不思議なことに谷川に水が溜まることはありません。すべて地下に浸み込み山中湖に集まるのです。野鳥たちにとってはある意味では過酷な土地かも知れません。

中西と野鳥を楽しんだ文人徳富蘇峰の命名による旭丘に「大洞の泉」とゆう自然の野鳥たちの水場がありますが、湧水といっても、気が付かないほどの少量です。然し野鳥たちにとっては楽園そのもの、沢山の野鳥が集まります。

山荘のバードバス

野鳥たちが嬉々として遊び戯れる「大洞の泉」は細かい砂礫の中からふつふつと水が湧き上がりますが、流れることなく、再び、砂礫の中に浸み込んでいきます。

最初に作ったバードバスは、イタリア製のテラコッタの50センチ直径の植木鉢でした。植木鉢の底の穴にビニールのホースを通してその上に植木鉢の表面まで粗い砂を入れました。ホースの先はビニールで固く縛り、ホースに裁縫の針で20個の穴を空けました。水道栓をひねると水がじわじわと上に上がってきます。水は植木鉢の周囲から漏れ地面に吸い込まれていきます。野鳥たちは喜んで水浴びをしてくれます。

この方法は在宅のとき水道に付きっ切りで水道栓を操作すれば可能ですが、不在のときは上手くいきません。野鳥たちは新鮮な水を好みます。然し残念なことに冬の凍結時期に水が凍り、テラコッタの植木鉢が壊れてしまいました。

氷結対策として第2に使用したのがコンクリートなどを捏ねる時に使用される、可塑性のプラスチックで作ったタフ舟(@ 1.5尺×2尺 2300円)でした。今度は砂礫ではなく溶岩を入れ、浅い場所、深い場所を作りました。周囲は森の朽木で固めました。野鳥たちも楽しんで使用してくれました。

A、B、Cは直径70センチぐらいのブリキの金盥を使用しました。タフ舟も氷結に対応出来ましたがプラスチック製ですので、なんとなく不安でした。然し金盥はまったく問題がありませんでした。Aは周囲を溶岩で固めました。

B、Cはいずれも朽木と溶岩で固め、苔を植えつけました。野鳥たちが安心して水が飲めるように、穴倉を作りました。付近にはアオダイショウ、ヤマカガシなどが住んでいますが、不思議なことに、工房に近接しているこの水場には現れませんでした。A、B、4、Dはいずれも不在中でも新鮮な水が供給できるよう水道栓から水をだせるように設計しました。この方法については、後章の「都会のバードバス」の項で説明します。

山中湖は渇水時期はあっても何時でも富士山から集まってくる綺麗な水をたたえています。我が家の小さな人工の水場よりも湖を利用したほうが良いと思うのですが。不思議なことにカラスを除いて、水鳥以外の野鳥の姿を見ることは少ないようです。カラスは水を飲むよりも釣り人たちがリリースして死んだブラックバスなどを食べに集まるようです。

Dは厳冬期対策として考えた水場です。山中湖では冬季2メートルぐらいの雪が積もります。小さなバードバスは凍結は勿論ですが雪に埋もれてしまいます。野鳥たちにとって冬季は餌だけでなく水も大問題なのです。
E2メートル×1.5メートル、深さ1メートルの穴を掘ります。
Fトラックなどの荷台をカバーする防水キャンバスシートで穴を塞ぎます。
G周囲を木材で補強しました。これで小さな池が出来上がります。
H木材で筏を作ります。野鳥たちはその上で水を飲み、水浴をします。

常時水道水を流し、水は何時でもフレッシュなものを供給します。厳冬期は水道管が氷結しますので水道を止め、池の中には養鯉業者が冬季使用する温水装置を敷設し、氷結を防ぎました。
この池は野鳥たちでなく、他の動物たちにとっても重要な水の供給池だったようです。3月中旬になると、ヒキガエルが集まり、池は小さなオタマジャクシで一杯になります。

水場に集まる野鳥を観察し、バードバスに最も大切なのは、新鮮な水を常時供給することだと解りました。
中西悟堂が”我国嚆矢の探鳥会”(日本野鳥の会主催、昭和9年6月2、3日)(中西悟堂『定本野鳥記』)を行ったのは、富士裾野須走りでした。この「鳥巣見学会」(後に中西は「探鳥会」という造語を作り、広く今日使用されるようになりました。)には、北原白秋、窪田空穂、柳田國男、金田一京助、春彦など当時の日本を代表する小説家、詩人、歌人、画家、新聞人など各界を代表する文化人40余名が参加しました。

中西は山中湖を度々訪れ、湖畔を散策し、野鳥の鳴声を楽しみました。当時は湖畔の回遊道路は荒れ果てていたので、対岸の長池平野方面に行くには湖上を船でわたりました。中西は「風光明媚」という言葉を使ってその美しさを賞賛しています。そして「50種以上の鳥に間違えなく接しうるこの湖畔へ、何度でもこよう」と述べたように、山中湖は野鳥の宝庫でした。

私が山荘を作ったのは、旭ケ丘対岸の長池讃美ケ丘別荘地でした。建物はいわゆる山荘らしくない普通の建物で、山を削って平地を造らず、山の斜面にそって建物をつくりました。また富士山に面した位置をとらず、私が少年時代駆け巡った信夫山に似た大平山を目前に眺める森の中でした。

B           C

@              A

山中湖村の識者から『富士山麓の土壌は、噴火によって砂礫化された溶岩』と教えて頂きましたが、多少不安だったので、山梨県環境科学研究所 地球科学研究室にお尋ねしたところ、研究員の内山高さんから次のご教示をいただきました。山梨県環境科学研究所 地球科学研究室と内山高さんにお礼申し上げます。

『噴火によって砂礫化された溶岩』は間違いでした

ご質問に関して,ご連絡いたします.・「噴火による溶岩の砂礫の集積」についてお尋ねの別荘地の場所(山中湖北岸)から推察して,「溶岩」という表現より,火山噴出物この場合スコリアの集積による砂礫となります.すなわち『噴火によるスコリアの集積による砂礫』といった方が正確になります.なお,場所からすると火山の噴出物以外に,お近くの山から崩壊土砂がまじっている可能性もあります.

溶岩とかスコリアとか,火山の噴出による石の違いについてご存じかもしれませんが,解説を付記します.専門的でやや長くなりますがご容赦下さい.

【解説】
火山の噴出はマグマ(地下にある岩石が溶けたもの)が地表に出てくることをさします.このマグマが地表に噴出すると,溶岩流や火山灰,軽石,スコリアや火山弾などになります.

このうち溶岩流はマグマが地表に噴出して,地表を流れたものです.

溶岩流とは別に爆発的な噴火(例えば,有珠山や桜島に見られる)によって,火山をつくる岩石やマグマが噴出したものを火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)とか,火砕物(かさいぶつ),テフラとかと呼びます.1)この火山砕屑物は大きさ(直径)によって次のように分けられます.・直径64mm以上のもの:火山岩塊(かざんがんかい)・直径64mmから2mmのもの:火山礫(かざんれき)またはラピリ・直径2mm以下のもの:火山灰また,一般的な表現として,大きさが数cmより大きいものを噴石と呼んでいます.

2)大きさに関係ないものとして火山弾:マグマが空中を飛んで冷え固まって特別な形をしたもの

泡をもつマグマが急に冷え固まって,多数の小さな穴があいた石で,色が白くて軽く,水に浮くものを 軽石色が黒くて重く,水に沈むものを スコリア(俗称だと焼石とかと呼ばれます)
とそれぞれよびます.


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